「痛みのあるところを触らない」緊張性意識集中との闘い方

皆さん、こんにちは。那珂川市のかわせみ整体、院長の野村 康治です。

いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。今回は、少し難しい話かもしれませんが、皆さんの身体がぶっ壊れてしまわないように、そして痛みを早く改善するために、私たちがなぜ「痛みのあるところを触らない」のか、その核心にある**「緊張性意識集中」**についてお話ししたいと思います。

「え? 痛いんだから、そこを揉んでほしいんだけど?」

「腰が痛いのに、なぜ肩や頭を触るの?」

そう思われた方も少なくないでしょう。でも、これが痛みの改善にとって、ものすごく大切なことなんです。

 

身体の「防衛反応」としての痛み

 

まず、痛みとは何かを改めて考えてみましょう。痛みは、身体にとっての防衛反応です。どこかに危険があるから、これ以上動かさないで、これ以上触らないで、と脳が発する警告信号なのです。火傷をしたら熱い!と感じて手を引っ込めるのと同じです。

この信号は、脳に送られます。そして脳は「ここに危険があるぞ」と認識し、その部分をさらに守ろうとします。このとき、私たちの身体はどうなるでしょうか?

筋肉が硬くなり、動きが制限され、さらにその部分に意識が集中します。これが、今回のテーマである**「緊張性意識集中」**です。


 

「緊張性意識集中」が痛みを悪化させるメカニズム

 


痛い場所に意識が集中すると、脳はそこに注意を向け続けます。すると、その部分の筋肉や組織はさらに緊張し、血行が悪化し、神経は過敏になります。

例えば、腰を痛めたとしましょう。

  1. 痛みが発生する:何か重いものを持った、長時間座っていたなど、きっかけは様々です。
  2. 脳が「危険だ」と認識する:腰に痛みという警告信号が送られます。
  3. 緊張性意識集中が始まる:「腰が痛い、腰が痛い…」と、常に腰の痛みが頭から離れません。
  4. 身体が硬直する:腰の筋肉だけでなく、その周りの腹筋や背筋も連動して硬くなります。
  5. 痛みの信号が強くなる:硬くなった筋肉はさらに血行を悪化させ、痛みの物質が蓄積しやすくなります。そして、脳は「やっぱり腰は危険なんだ」とさらに強い信号を送り続けます。

この悪循環が、慢性の痛みやなかなか治らない痛みの原因なのです。


 

「触る、揉む、伸ばす」がダメな理由

 


この悪循環を断ち切るために、かわせみ整体が最も大切にしているのが、**「痛いところを触らない」**という原則です。

痛いからといって、その部分を直接強く押したり、揉んだり、ストレッチしたりするとどうなるでしょうか?

それは、脳への「痛い」という信号を、さらに強化することになるのです。

「ああ、やっぱりここは痛いんだ。もっと危険なんだ」

脳はそう判断し、さらにその部分を防御しようとします。すると、せっかく施術を受けても、身体はまたすぐに緊張し、元の痛みに戻ってしまいます。

これは、火傷したところに塩を塗り込むようなものです。一時的に「効いている」と感じるかもしれませんが、根本的な解決にはなりません。それどころか、さらなる炎症や痛みを引き起こす可能性さえあるのです。


 

オステオパシーという「繊細な手技」

 


かわせみ整体で採用しているオステオパシーという手技は、この「緊張性意識集中」を解き放つために、非常に有効なアプローチです。

オステオパシーは、身体全体を一つのつながりとして捉えます。痛みのある腰だけを見るのではなく、その痛みの根本原因が、骨盤の歪み、足首の硬さ、首の緊張など、別の場所にあると考えるのです。

そして、その原因となっている部分に、ごくわずかな力でアプローチします。

例えば、腰痛の方の場合。

  • 足首の関節の動きを優しく整える
  • 頭蓋骨の硬さを緩める
  • 内臓の位置を調整する

これらの施術は、一見、腰痛とは関係ないように見えます。しかし、身体はすべてつながっています。足首の動きが改善すれば、歩き方が変わり、腰への負担が軽減されることがあります。頭蓋骨の硬さが緩めば、自律神経が整い、全身の緊張が解けることがあります。

このような**「余計な侵害刺激を与えない」**繊細な手技は、脳に「ここはもう安全だ」という新しい信号を送ります。


 

脳をだます? 身体に「正しい運動」をさせる

 


私たちの身体は、新しい経験を学習する能力を持っています。

痛い場所に触るのではなく、身体全体を正しい方向に動かすことで、脳に「あれ? 痛くない?」と気づかせます。

オステオパシーの施術は、患者さんご自身が気づかないうちに、身体の正しい動きを取り戻していきます。それは、強引に筋肉を伸ばすようなストレッチとは違います。

身体が本来持っている自然な動き、自然な位置を、ごくやさしい力でサポートするイメージです。

そうすると、脳は「ああ、この動きは安全だ」「この状態は快適だ」と学習し始めます。


 

24年以上の経験から得た確信

 


私はこの道24年以上の経験で、数多くの患者さんと向き合ってきました。その中で、**「痛いから触る、揉む、伸ばす」**というアプローチが、実は痛みを長引かせる原因になっていることを痛感しました。

逆に、「痛いところをあえて触らない」というアプローチに変えてから、患者さんの痛みが劇的に改善するケースを数えきれないほど見てきました。

痛みの根本にあるのは、物理的な問題だけではありません。脳が作り出した「緊張性意識集中」という心のあり方、身体のあり方が、痛みを固定化させているのです。

だからこそ、かわせみ整体では、**「身体を壊さない」**ことを最優先にしています。


 

まとめ

 


  • 痛みは身体の防衛反応であり、脳への警告信号である
  • 「緊張性意識集中」は、痛い部分に意識が集中し、痛みの悪循環を生む
  • 痛いところを触る、揉む、伸ばすことは、この悪循環を強化してしまう
  • オステオパシーは、痛みのあるところを直接触らず、全身を整えることで、脳に「安全だ」という信号を送る
  • 「余計な侵害刺激を与えない」ことが、痛みを早く改善する最短ルートである

私たちの身体は、皆さんが思っている以上に賢く、そして繊細です。

だからこそ、その身体のサインに耳を傾け、無理に戦おうとしないことが大切です。

身体に「これは正しい運動だよ」「この状態は快適だよ」と優しく教えてあげることで、身体は自ら治ろうとする力を取り戻していきます。

もし、長引く痛みに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、かわせみ整体にご相談ください。

あなたの身体の声を一緒に聞いて、痛みのない快適な日々を取り戻すお手伝いをさせていただきます。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

那珂川市 整体 かわせみ整体 院長 野村 康治

かわせみ整体